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昨今のマッチングアプリ
一昔前はマッチングアプリを使用していると、昔の「出会い系」のように、周りから「え?」と言われることがあったが、今は結婚式でも馴れ初めが「マッチングアプリ」だった公表されることも抵抗がなくなってきている。
当然AIが、マッチングアプリにも搭載し始めて、AIが「ホモ・サピエンス」の繁栄までを操る時代が始まった。
Tinderの中で何が起きているか
TinderはVecTecという機械学習アルゴリズムを使って、ユーザーの一つ一つのスワイプを分析している。あの何気ない右スワイプや左スワイプが、実は趣味、教育、興味、職業などの特性をベクトル化されているのである。参照: https://apro-software.com/tinder-and-artificial-intelligence/
つまり、どんなタイプの人を好むかを、AIが数値として把握している。そして類似ベクトル間の共通点を認識して相互推薦を行う。要するに、AIが「この人とこの人、合いそうだな」と判断して出会いをプロデュースしているわけである。
日本のPairsも東大と組んでAIマッチングを採用している。もはやマッチングアプリは「人工知能による恋愛コンサルタント」と言っても過言ではない。参照: https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1812/10/news125.html
人間 vs AI の代理戦争
こちらはあるYouTuberが作った「完全自律型AIナンパシステム: https://www.youtube.com/watch?v=4lkWl6NL2wg」である。これは人間の代わりにAIがマッチングアプリ上で会話をし、マッチングし、メッセージを交わし、デートの約束まで取り付けるというものだ。
このAIは2時間で4200いいねを獲得したという。しかも、マッチングアプリ運営側にAIだとばれないように、様々な工夫を凝らしている。ここでもAI vs AIの構図が生まれているのである。
運営側は「これはAIです」と判定するAIを開発し、ユーザー側は「AIだと判定されないAI」を開発する。まさにいたちごっこである。
種の繁栄にまでAIが関与する時代
考えてみれば、マッチングアプリでのパートナー選びは、人間の種の繁栄に直結する行為である。どの遺伝子とどの遺伝子を組み合わせるかを、AIが判断している時代になったのである。
これって、よく考えると恐ろしくないか?
人間が「この人いいな」と思って選んでいたはずなのに、実はAIのアルゴリズムが「この組み合わせが最適です」と判断した結果だったりする。僕たちは自分の意思で選んでいるつもりで、実はAIに誘導されているのかもしれない。
人間同士をマッチングさせるのはいつまでか
今はまだ「人間同士をマッチングする」段階だが、最終的にはAIが作り出した仮想のパートナーとVR内で付き合うようになるかもしれない。そうなれば、人間とのマッチングすら不要になる。
物理的なコンタクトをシミュレートする機器もどんどん開発されている。
理想的な容姿、性格、価値観を持った仮想パートナーを、AIが一人ひとりにカスタマイズして提供する。しかもその仮想パートナーは、君のことを完璧に理解し、君が求める反応を常にしてくれる。
現実の人間関係のように、喧嘩もしないし、価値観の違いで悩むこともない。
おわりに
AIがキューピッドになった時代に、僕たちはどう生きるべきか。
効率的で最適化された出会いを求めるのか、それとも偶然性や不確実性を含んだ人間らしい出会いを大切にするのか。
答えはまだ出ていないが、少なくとも僕たちはこの変化を意識的に受け止める必要がある。AIに全てを委ねるのではなく、人間として何を大切にしたいかを考え続けることが重要である。
種の繁栄という最も根本的な部分にまでAIが関与し始めた。マッチングアプリだけでなく、不妊治療や胚選択まで。まずはAIはどんな仕組みで動き、どんなことができるのかを知ることが必須のファーストステップだ。