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Sora 2とは
Sora 2は、単なる映像生成AIの枠を超えた存在である。従来のAIが「それっぽい映像」を出力するだけだったのに対し、Sora 2は現実世界の物理法則をシミュレーションし、まるで撮影されたかのような映像を生成する。
Sora 2で生成された動画
百聞は一見にしかず。自分の顔データでディープフェイク動画を作ってみた。
Sora2 AI生成 ディープフェイク サム・アルトマンとAIについて議論
Sora2 AI生成 ディープフェイク ラッパーデビュー
これはSora2のCameoという機能を使っている。Cameoとは、映像作品や演劇において、短時間だけ登場する特別出演のことである。主に有名人や監督本人が“ちょい役”で登場するパターンが多く、「この人こんなところに!?」というサプライズを演出するために使われる。Sora 2のCameoでは、自分の顔を10秒程度撮影するだけで素材が完成する。これだけでディープフェイクの素材は十分。ラッパーにだってなれる。
下記にOpen AIが公表しているおすすめのプロンプトがあるので掲載しておくが、この程度の動画であれば、詳細なプロンプトは不要である。「Discuss with Sam Altman about AI future」だけで十分だ。日本語のプロンプトはまだ得意じゃないようだ。
https://cookbook.openai.com/examples/sora/sora2_prompting_guide
通常のAI映像生成との違い
従来の映像生成AIは、大量の映像データを学習し、「この場面ではこう動くのだろう」と統計的に推測するのが主流であった。しかし、Sora 2は「重力」や「衝突」といった現実のルールを理解する。例えば、バスケットボールを外したとき、ボールがバックボードで跳ね返る様まで自然に描写できるのだ。従来のAIなら「ボールがゴールに吸い込まれる率100%」といった“八百長映像”を量産しかねなかったが、Sora 2はフェアプレーを心得ている。
物理エンジン強化による可能性
Sora 2の進化は、映像のリアリティを桁違いに高める。雨粒が窓を伝う様子、髪の毛が風に揺れる様子、ビールジョッキに注がれた泡が溢れる様子――これらを“まるで本物”の質感で再現できるのである。
ここまでくると「CGか現実か」を見分けるのは難しい。いや、むしろ人間が撮影するよりAIのほうがリアルに描けてしまう未来すら見えてくる。
他分野への波及効果
この技術の本当の面白さは、映像制作を超えて広がる点にある。例えば、VR分野では没入感が劇的に増す。ロボット工学の分野では、人間が「これはリアルだ」と評価した映像を大量に学習データとして流し込み、ロボットのトレーニングに使える。ロボットの加速度的な進化を後押しする技術がまた一歩進んだ。
ディープフェイクの民主化
ディープフェイクとは、「本物そっくりなウソ映像」を生成する技術である。動画や音声に対して、人間の目と耳では判別困難なレベルで改変を加え、まるで本人がその場で発言・行動したかのようなコンテンツを作り出す。
たとえば、政治家が言ってもいない発言をしている動画、俳優が出演していないアダルトビデオに出演する。
いまはOpenAIはこのディープフェイクへの規制を強化しているが、一年未満で規制がないオープンソースが出るのは止められない。そうすると誰でもがディープフェイクを使える「民主化」が起こる。ソーシャルメディアは当然、より面白いディープフェイク動画の閲覧数があがる。情弱が踊る。必要なのはAIを知ること、使うこと
用語集
- Sora 2: OpenAIが開発した最新の映像生成AI。物理エンジンを組み込み、重力や衝突など現実の法則を再現できる。
- 映像生成AI: テキストや音声などの入力から映像を自動的に生成するAI技術。
- 物理エンジン: 重力・摩擦・衝突といった物理現象をシミュレーションする技術。Sora 2はこれを取り入れることで自然な映像を生成する。
- Cameo(カメオ): 映像や演劇での短時間の特別出演のこと。語源は宝石の浮き彫り彫刻(カメオ彫刻)から来ている。Sora 2では10秒程度の自撮り動画をもとにAI映像へ登場できる機能を指す。
- ディープフェイク(deepfake): 「deep learning(深層学習)」と「fake(偽物)」を組み合わせた造語。本物そっくりの偽映像や音声を作り出す技術。